こわい夢
投稿者ぐりさん
2003年12月22日 14:23:00
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師の探偵
事件の説明を聞くとすぐ探偵は私に事件を任せた。 自分はその高名な探偵の助手なのだが「簡単そうだから解決してきなさい」と一人森深い山の豪邸に乗り込まされた。 豪邸には元々中年夫婦が二人きりで暮らしていたのだが、その大きさと景観から宿泊施設も兼ねるようになったらしく、その日も数組の宿泊客が泊まっていた。そこで旦那主人が先日何者かによって殺されたらしい。主人と客と使用人だけが存在するそこでは、使用人の比率が一番高い。旦那主人と肉体関係を強いられていたという噂のメイドもいた。 大きくて豪華絢爛だがそこでは水だけが不足していて、一日に一人辺り使える量が決まっていた。トイレを流す以外に水を使うときは備え付けの冷凍庫から缶ジュース程の大きさの氷を取り出し、溶かす装置に取り付けて使わなければならなかった。
・・・実はそれが事件のトリックで、その溶かす装置が作動する際の蒸気が影を乱反射させ、犯人を解らなくしていたのだ。
犯人は女主人だと勘付いた自分は、夜に主人室へ行き確証を得ようとするが、出された紅茶に毒を混ぜられていて逆に罠に嵌まり、体が動かずそのまま殺されそうになるが、そこで自分の師である探偵が助けてくれる。 助かった、と思って探偵の顔を見ると、いつも優しいその顔が恐ろしく無表情だ。この人は自分の知っている人じゃないと思った直後、胸元から銃を出し、迷い無くその女主人を撃った。 自分はただ何度も首を横に振っていた。
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