変な夢
投稿者yyさん
2003年05月17日 20:50:00
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名工になった
私の肩から先は「1本の糸」でできていた。 ひょろり、ひょろりと風になびくその腕は、意外に力が入り、ものを食べるときも、器用に箸やフォーク、ナイフを使いこなし、生活には不自由しなかった。 そんな私の職業は、注射針の作成。 大量の針金が毎日、家に送られてくる。 はじめに、針金をお酢で茹でて、アルデンテ状態にし、中心の芯の部分を私の腕で押し出す。 その技術は、私だけが持っており、出来上がった注射針は、世界各国で珍重されていた。 しかもその技術は、政府から「名工百選」に指定された。 弟子入りしたいという人が毎日のように現れるが、細い糸のような腕を持っていなければ、無理であることに気づいて、みな帰っていく。 なんだか、寂しい気持ちだが、落ち込んではいられないので、注射針作りに専念する毎日をおくっている。
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