こわい夢
投稿者ちよさん
2005年06月11日 14:07:21
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片足の女の子
真夜中の学校。
暗い長い直線の廊下を、私は何かに追いかけられるかの様に必死に走っていた。
しかし、下半身は水の抵抗を受けているかの様に重たく、なかなか前に進めない。
それでも、私は必死に走り続けた。
しばらくすると、
カン、カン、カン...
下駄でケンケンする足音が後方から聴こえてきた。
それは、とても規則的で。
私は思わず後ろを振り返った。
そして、見たものは。
10歳前後の片足の女の子。
髪は膝丈まで伸びていて、真っ白な肌に真っ白なワンピース。
遠くから見ると、それはまるで傘のようで。
ゾクッ
言葉よりも何よりも瞬間的に恐怖が全身を駆け巡った。
ーーいけない！！
しかし、女の子の追いかけて来る速さは私よりも数倍速く。
さっきまでは姿も見えなかった程なのに。
5メートル走ったくらいには、すぐ後ろにいるかの様に女の子の笑い声が聴こえてきた。
ーーこのままじゃ、追いつかれてしまう！なんとかして、引き離さなくちゃ！
私は、懸命に走り続けた。
そして、走り続けると同時に引き離せる場所を探した。
すると、右斜め前方に上りの階段を発見する。
ーーやった！あそこで引き離せる！！
そう思い、ありったけの力を振り絞ってその階段へと向かった。
そして、必死に走り続けた結果。
私はついに階段までたどり着いた。
素早く手すりに右手を掛け、体をぐるっと反転させる。
その瞬間！
……ヒタ。
右手の上に、冷たく、真っ白で、小さな手が乗った。
ーーえっ？
驚いて顔を上に上げると。
自分の顔の数センチ手前にその女の子の顔が...
目は黒く落ち窪んでいて、唇は普通の人より少し裂けて真っ赤な口紅をありったけ塗りつぶしていて。
その唇がゆっくりと開かれて、囁くような小さな声が私の耳に届いた。
「捕まえた。」
そこで、夢は終わり。
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