かなしい夢
投稿者優さん
2005年05月08日 12:35:56
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今度は死なないで
〔私は高校のクラスメイトと中学のクラスメイトが混じったクラスにいた。〕
修学旅行中、遊覧船の船着き場で、元彼であるＴに突然「死にたいから殺して欲しい」と言われた。
その後もメールや電話で動機を聞こうとするが「死にたい」と言うだけ。
死んで欲しくないと言っても「死にたい」と言うだけ。
そんなやりとりが一年繰り返され、私はついに彼を殺す決心をした。
もうＴには他に彼女がいたし、母子家庭であったが円満に暮らしていたようで
自殺をする理由など見つからなかったのだが。
私はＴを睡眠薬で殺して埋め、庭に墓をつくった。
後日家族〔母、妹〕が私の家にやってくるとやはり泣いた。
妹はもう立っていられないほど泣いていた。
そして時々、不安そうに母の方を見た。
私は、自分の庭にありながら彼の墓には滅多に行くことが無かった。
家族と一緒にそばへ行くと、いつのまに咲いたのかたくさんの蒼い花があった。
「そういえばＴはあおがよく似合うんだなぁ」などと思っていると、
なんだか悲しくなり、私も妹がやっていたように、墓へ話しかけた。
私は付き合っていたときの嬉しかったことを話したと思う。
家族が帰ったあと、二人への後ろめたさと、殺してしまった後悔がすごかった。
確かに殺して欲しいと言われたけど、本当に殺してしまうのは違ったんじゃないか。
Ｔが死んだことで家族も恋人もクラスメイトも泣いている。
私が殺したのは事実なんだからきっと恨まれるだろう。 とか、
いろいろ思うことはあったが、多分何より自分がＴに会いたかった。
それから何日もただ部屋で呆然としていた。
ある日の夕方、突然外から羽子板の羽根が入ってきた。
外を見ると屋根で天狗が羽子板をしていて、目が合うと睨まれた〔怖かった〕。
恐る恐る羽根を差し出すと、天狗はそれを受け取りながら「かえりたいんだろう。」
と意味の分からないこと言い、次の瞬間には私はあの船着き場にいた。
瞬時にあの日にかえってきたことに気付くと、Ｔを探した。
彼は生きていて、元気で…本当に久しぶりで、懐かしかった。
その日はＴの姿を眺め、やり直そうと決める。
修学旅行から帰ってしばらくすると、電車のなかで彼の母親にあった。
元気そうなのが嬉しくて、挨拶に行こうと人をかき分けていた手が止まった。
「あの子が死んだらあなた一人でしょう。虐め甲斐がないじゃない」
と、妹に言っているのを聞いてしまったからだった。驚いた。
彼が死にたいと言っていた理由がひとつわかった気がした。
でももうひとつ友達から聞いた、びっくりすることがあった。
それは今の母親が実母でないこと、しかも本当の母親はＴが殺したということだった。
学校の帰りに、あの話をしようとＴと一緒に電車に乗った。
いないはずの人の隣に座れることが嬉しくて、それだけで泣きそうだった。
相変わらずＴは死にたいと言う。
やっぱりお母さんのことなのか。どうしてＴはお母さんを殺したんだろう。
虐待なんて私が勘違いしているだけだよね。等、わからないことだらけだったけれど
理由はなんでも、とにかくＴに死んで欲しくなかった。
何度も説得するがやはりＴは殺して欲しいと言う。
だめかもしれないと悔しくて半分泣いていた。
「私はＴを殺してすごく後悔した。だからこうして過去でやり直そうとしているのに。死んで欲しくないのに」
そんなことを思っていると、Ｔに
「…本当？オレって本当に死ねるかもしれないんだ。優は…どうしてオレに死んで欲しくないの？」
と言われた。 どうやら口に出していたようだった。
彼はどうしてかこんな突拍子もない話をあっさり信じた。
どうしてと聞かれ、Ｔが死んでしまったあとの淋しさがリアルに浮かんできた。
みんな泣いていた。私も泣いていた。悲しかった。後悔した。
泣きすぎてＴに聞こえているか分からないような声にならない声で
「今Ｔが隣にいるのがうれしい、笑ってくれるのがうれしい、息をしているのが、うれしい、」と言った。
Ｔの顔は見えなかったが、今までの切羽詰まったような雰囲気は感じられず、しばらくしてまた呟いた。
「どうして」
彼が彼自身に聞いているような言い方だった。
私も繰り返し心のなかで呟いた。
…どうしてかな。
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ここで目が覚めてしまいました。
起きたら泣いていて しばらく夢だとわかりませんでした。
出来過ぎた〔天狗のあたりヘンだけど〕リアルな夢で、
Ｔの家族構成、内容は違うけれどＴの悩み〔母親のこと〕立場〔元彼〕なども現実と一致します。
Ｔに死んで欲しくなかったのは、まだ好きだからとか、淋しかったからとかではなくて…本当どうしてだろう。
とにかく死んで欲しくなかった。
このまま夢を見ていたらＴはどうなっていたか気になります。
長すぎる上、よくわからない文ですが読んでくれた方感謝します。
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